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30数年ぶりのドナウ河
GWにウィーンの街を歩いていたことが、何だか夢の中のできごとのような気がする。
ウィーンは、学生のときに行って以来。
そのときはウィーンの街が好きになれなかった。街全体が気取っているような印象があり、貧乏学生を拒んでいるような感じがして。
観光はせず、ドナウ河の土手に佇んでいた。ベンチに座って河を見つめていたおじさんに、「Die Donau ? ドナウ川ですか?」と話しかけたら、「Mutter Donau 母なるドナウだよ」と誇らしげに言われたことだけを覚えている。

30数年ぶりのウィーン再訪。
気高さのなかに気さくな雰囲気も感じられた。あえて人にたとえるなら、淡色のシックな服に身を包み、シルバーグレーの髪に真紅の口紅、達観したような表情で、背筋を伸ばしてアールデコ調の椅子に座る老婦人?

リンクと呼ばれる環状道路沿いとその内側の旧市街は、ハプスブルク帝国の威厳を今も保っている。石畳の通りには華麗な装飾が施された歴史的建造物が建ち並ぶ。広場には必ず歴史に名を刻む人物の彫像があり、街を看守している。建造物を見上げながら石畳を歩き、ふと前を向くと、目の前に美しい王宮が現れる。


あれから私もだいぶ歳を重ねたので、今回はウィーンの栄華を客観的に眺められるくらいに心の余裕も生まれ、「おのぼりさん」コースをたどった。

ベルベデーレ宮殿でクリムトの作品に対面し、レオポルトミュージアムではエゴン・シーレの画才に圧倒された。美術史美術館ではアルチンボルトの作品を食い入るように見て、MAK応用美術館ではウィーン工房の洗練されたデザインに刺激を受けた。
クラシックなカフェ巡りも楽しんだ。ハプスブルクの残り香を感じながら、甘いトルテとメランジェ。100年前にここでどんな会話が交わされたのだろうかと、束の間タイムスリップしたりして。


もう一度、ドナウ川に行きたかった。
ツアー仲間がシェーンブルク宮殿へ行った日、ひとりでdonauinsel 駅まで行き、ドナウ河わきの遊歩道に出た。
川岸で白鳥が身繕いをしていたのをぼんやり眺めていた。前に来たときはどこからドナウ河を眺めたのだろう。河岸に土手はない。舗装された遊歩道が続いていた。ベンチもないし、歩いている人もいない。


本当にドナウ河を見たのだろうか・・・記憶が揺らいできた。
「すべて夢だったのよ」といわれたら「そうかもね・・」って答えそうなくらい、私の記憶は不確かなものになってしまった。


30数年間にいろいろな出来事があったけれど、あの日と今日を直線でつなぐととても短い。あやふやな記憶が入り込む余地はない。
私が初めてウィーンを訪れた後に完成し、かなり奇抜な存在だったに違いないフンデルトヴァッサー・ハウス(市営住宅)も、いい感じに年老いていた。
DIE GERADE LINIE IST GOTTLOS.
直線に神は宿らない。by フンデルトヴァッサー
【2016/05/18 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
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