草の庭
賃貸のアパートには小さな庭がついている。
それが気に入って16年前に借りたのだけど、庭仕事はすっかり面倒になり、鉢植えの植物もほぼほったらかし。

小さな小さな庭だけど、もともとは芝生の庭だった。借りたときはすでに半分くらいの芝が枯れていたので、中央あたりに煉瓦を敷いて通路もどきをつくり、通路の南側一帯はアイビーを伸びるがまま這わせていた。アイビーが庭半分を覆いつくしていたので、草も生えないし、アイビーの地面は手間いらずでなかなか気に入っていた。

それがわたしの留守中に剪定が入り、すっかりむしり取られてしまった。
剪定のおじさんには、垣根のカイヅカイブキを刈り込んで風通しをよくしてください、とお願いはしたけど、地面までは頼んでいない。
亡母がうちの近くの山で引き抜いてきた山椒の枯れた枝、京都の神社でもらってきたイチョウの小木なども一緒くたに浚われて、ショックだった。

掃除担当のおばさんに悪気があったわけではない。ただ庭をキレイにしたかっただけだと思う。
そしてわたしとおばさんの「草」と「庭」に対する認識が違っただけ。
わたしには草じゃないものが、彼女には草に見えたということ。
親切心からの行為だし、確かに庭はすっきりした。でも、複雑な気分。

b_草取り後

キレイに刈り込まれた庭を見ながら、「草」とか「キレイ」の認識って、人それぞれなのだな〜と思う。
【2015/06/14 】 生活するもの | comments(0) | page top↑
クラフトフェアまつもと
5月の最終土・日曜に松本へ行ってきた。
目的は、30年の歴史をもつ「クラフトフェア」の見物。
このイベントのことを教えてくれた友人は、毎年日帰りで行っていると言っていたけど、松本はわたしにとって初めての地、ちょっとゼイタクだけど、1泊2日で工芸の街を堪能することにした。

メイン会場の「あがたの森」では、キラキラと照りつける初夏の日差しのもと、陶器、糸、本、木工品、布製品、鋳物、革製品、ガラス製品などさまざまな工芸品の店が並び、見物客がごった返していた。会話を聞いていると、関西からの客も多いよう。とにかく、すごい熱気!そして作品のレベルが、高い。

話によると、クラフトフェアへ出展するのはなかなかの難関なのだそう。
わたしがバターナイフを買った木工作家の方は、5回目の応募でやっと審査に通ったとか。福岡からの参加で、「体力的にも厳しいし、1度出られたからもういいかな…」とおっしゃっていた。どうやら「クラフトフェアまつもとに出展した」ということが、ステイタスになるみたい。

埼玉県飯能市から参加した安田ジョージさんは、木彫の頭部と手足、布の胴体を持つユニークな動物のオブジェを作っている。何かを一心に見つめているような動物たちの表情と、その場の気配に釘付けになった。
ジョージさんはインスタレーションなど現代アートを手がけるアーチストだけど、1〜2年前から動物のオブジェを作るようになったそうだ。布の胴体をつくるために、まず粘土で形を作り、それに紙を貼って型紙をおこす。頭部と足は手彫り。布や木彫部の染料は天然のものを使用しているという。
にこやかな笑顔には商売っ気はまったく感じられない。手間をいとわず、やりたいことを心から楽しみながら制作している感じ。いいなあ。。。

さまざまなジャンルの作品を見てまわりながら、わたしは「ハンドメイド」と「クラフト」の違いを感じていた。
それは「クラフトマンシップ」が宿っているかどうか。「芸」を追求しているかどうか。

この時期、松本は「工芸の五月」を掲げ、街全体が活気づいていた。手工芸に従事する人とそれを愛する人びとが、まだこんなにも健在だなんて。
想像していた以上にハイレベルのイベントで、よい刺激になった。

↓見学だけのつもりだったのについついいろいろ買ってしまった。
・シルクの5本指靴下と手袋 ・天然糸 ・木のボタン、陶のブローチ ・陶器のコーヒードリッパー、マテバシイのバターナイフ、三谷龍二てぬぐい ・手織テーブルマットと風鈴

松本土産
【2015/06/13 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
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