台湾の友人 Agua
台湾旅行から戻ってもうすぐ1か月になる。
妙にハイになっていた気持ちも落ち着いて、日常の雑事に振り回され、特別な日々はすっかり遠くに行ってしまった。
けれど、もうひとり書き留めておきたい台湾の友人がいる。

アグアは、台北にあるデザイン事務所Agua Design (水越設計)の代表。
台湾の大学ではフランス文学を専攻したが、アートに興味を持つようになり、卒業後フランスへ。パリの大学でデザインを学び、帰国。19年前にひとりで事務所を立ち上げた。
絵画ではなくデザインを選択したのは、「デザインはアイディアだから」

b迪化街06

それはAgua Designがこれまでに生み出したモノを見てみるとよくわかる。
出版物にしろ、ノートにしろ、タトゥーシールにしろ、アイディア・センスが光っている。それは便利なものだったり、クスッと笑わせるものだったり、なるほど〜とうならせるものだったりする。色や構図以前に、デザインの思想を大事にしているように感じられる。

アグアとの出会いは3年前。初めての台湾旅行で彼女のオフィスのショールームを訪ねたことがきっかけだった。その年の夏に、彼女からのオファーがあり、Agua Designのデザイン・ワークショップに関わった。そして今年の冬に京都で再会、だんだんとわたしたちの距離が縮まった。

今回の台北滞在中、彼女は仕事が忙しいにもかかわらす平日に時間をとって、台北の下町を案内してれた。
迪化街は古い建物の商店が軒を連ねる、とても味わいのあるエリアだ。そこにポツリとおしゃれな店が混在していたりする。アグアは、このエリアの古い街並みを魅力的な観光スポットに熟成するプロジェクトにもかかわってきた。

b魚皮soup生まれも育ちも、現在も下町に暮らす彼女は、気さくで寛容、わたしのペースにスーッと寄り添ってくれるので、一緒にいると、ずっと前からの友だちのような気がしてくる。
「食べたことがないならぜったいに食べるべき」と、彼女が連れて行ってくれたのは、サメの皮を出す店。しっかりした歯ごたえのゼラチン質はコラーゲンがたっぷり含まれているようで美味。「これを食べた翌日は肌のハリが違う」と、どうみても30代前半にしか見えない、もち肌のアグアが言う。若さの秘密がわかった気がした。

b龍山寺03夜の「龍山寺」も面白かった。夜も8時を過ぎているというのに、敬虔深い人たちが次から次へとお参りに訪れる。
アグアいわく、普通のお寺は夜お参りすると悪い霊に憑かれるのでよくないけどここだけは別、なのだそう。
参拝者は、太くて長い線香を両手で持ち、深々と3回頭を垂れてお祈りしている。神様があちこちにいるから、四方を向いては3回お辞儀する。
本殿の裏にもずらりと神様が並んでいる。アグアが電話で仕事の打ち合わせをしていたので、わたしはひとりで全ての神様にお参りしたけれど、他の参拝者を見ていると、スキップしている神様もある。聞けば、縁結びとか子宝に恵まれるとか、さまざまな神様が集まっているから、願いを叶えてほしい神様を選んでいるのだとか。あーなるほど。
ここは占い横丁も有名だけど、今回はパス。

わたしの希望で、淡水川にも連れて行ってもらった。台北市と新台北市を分ける大きな川だ。川岸の特設舞台で、どさ回りっぽい歌手が唱っていた。お客さんは多くなかったけど、涼しい風を受けて、それなりに楽しんでいた。タイムスリップしたかのような、のどかでノスタルジックな光景。
b淡水川02

台北の下町探訪は、アグアのおかげでとても楽しかった。ひとりでは決してできなかったディープなツアー。
敬愛するデザイナーが、いつの間にか頼もしい現地の友人になったことに、人の縁の不思議を思う。
【2015/05/29 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
台湾の友人 Edith
わたしの娘でもおかしくないような若い友人だけど、何か気が合う。
初めて会ったのは3年前、スカイプを通じたデザインのワークショップで。
そのとき、わたしとエディスはゲストと受講生という関係だった。
1年前、日本へ行くので会えないかと連絡があり、1日だけつき合って表参道をぶらぶらした。
今年1月、社員旅行で京都に来るというので、会いに行った。
うどんを食べ、路地を巡り、居酒屋に入り、万博公園のフリマに行った。彼女の趣味嗜好もだんだんわかるようになり、わたしたちはすっかり打ち解けた。
年の差はあれど、好きなものに吸い寄せられる嗅覚が似ているような。。

b_好丘
そして4月末、今度は台北で再会。
空港でエディスと待ち合わせ、一旦、彼女の家に荷物を置いてから、自転車で街に飛び出した。好丘のマーケットを一巡したあと、私が好きそうな雑貨店へ案内してくれた。夜ごはんは、彼女の家で。料理上手なお母さんのご馳走にあずかった。


お母さんの哲香さんは、手芸や料理、パン作りの先生でもある。旬の食材を使った料理はどれも美味しく、みんなが笑顔になる(この夜、わたしを含め4人の来客がエディス家の食卓を囲んだ)。日本語を少し話せるお父さんも「いつも美味しい手料理を食べられて幸せ〜」と満面の笑み。


室内は彼女の刺繍したカバーやレトロな調度、アンティーク雑貨で素敵に飾られていた。積まれていた本の中に日本のインテリア本が何冊もあった。聞けば、日本語は読めないけど写真を見て参考にしているのだとか。小物類が多いのに埃が積もっていないのは、こまめに掃除をしている証だ。

客人もまた刺激的だった。
ジェーンさんは編み物作家。今年3月に日本で3人展を開き、現在は、観光客にも人気のショップ&カフェ「蘑菇 Booday」で作品展を開催中。
彼女のドローイングや編み物グッズには、無垢な子どもの心が宿っている。齢はわたしとさほど変わらないと思うけど、マイペースで天衣無縫な雰囲気が漂う。「天然」のヴェールをまとっているような人(たぶん)。

ナナさんは、築50年のビルでレトロ雑貨店「意志意志」を経営している。世界各地を旅行して集めたアンティーク・グラスや手工芸品を展示販売するため、5年前に店をオープン。1年前に現在の場所に引っ越した。2階は小さなカフェスペースのあるショップ、3階は企画展とワークショップのスペース。金曜夜には中国語とドイツ語の教室も開催する。企画力と実行力を備えたアクティブな女性だ。

因芳さんは元スッチー、今はアーティスト。わたしがお会いしたときは、ナナさんの「意志意志」で布に絵を描いたポーチや財布を展示中、ワークショップも開いていた。スタイル抜群、才色兼備のアラフォー(って感じ)。

温かい家族と美味しい食事とコージーなインテリア・・・。親密で大らか、雑貨好きで感度のいいデザインセンスを持つ「Edithのできるまで」を垣間見たような気がして、なんだか妙に納得した。
【2015/05/15 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
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