ワープロの記録02 【旅の土産もの 香港編1989】
5回目にして、初めてプライベートで香港を訪れた。
旅のきっかけはとても唐突だった。
友人と香港映画を観たあとに入った牛タン屋で、映画の感動シーンにひとしきり花を咲かせたあと、「香港行きたいね!」とわたしが言うと、「行きたいね!」と彼女が乗ってきた。2人とも自由の身だったので、思い立ったらあとは早い。
10日後、わたしたちは百万ドルの夜景へ向かう機上の人となった。

旅の目的は3つあった。
映画を毎日観ること。
靴をオーダーすること。
写真を撮ること(※当時わたしたちは写真教室に通っていた)。
以下は、オーダーメイドの靴について。

香港に着いた翌朝、さっそくトラムに乗って香港島のハッピーバレーの靴屋通りに行く。店内を見回してすかさずお気に入りを見つけた友人は、「わたしはこれを買うことにするわ」と、いとも簡単に第1目的をひるがえした。
たしかに、センスのいい靴があった。別にオーダーメイドにこだわることもないか・・・と、わたしも目的を逸脱、好きな靴に足を入れてみる。が、悲しいかな、サイズが合わない。幅広甲高のわたしは、靴選びではいつも苦労する。

「スグ デキルね。アナタ、いつ日本 帰る?」
若い男性店員が声をかけてきた。3日後と答えると、
「ノー・プロブレムね」
「う~ん、でもわたしはこの靴をオーダーメイドしようと思っていたのに・・・」
わたしは靴をオーダーするにあたって、雑誌から切り抜いた靴の写真を持参していた。その切り抜きを見せると、
「コレ(切り抜きの靴)より コッチ(店でわたした履いてみた靴)の方が イイね。オソロイのバッグと 一緒に持つと グーね」と、くだんの彼が親指を立てる。

たしかに靴とバッグがお揃いというのもイキである。
ごく一般的な足のサイズの友人に、わたしの足には入らなかったその靴を履いてもらい、見た目を確かめる。なかなかいい感じ!
オーダーメイドした場合の値段を聞くと、既成のものと同じという。それはお買い得! 安い、と思ったけど、ここはわたしの腕の見せどころ。しつこく値引き交渉する。

交渉成立後、店のスタッフが注文表を裏返して床に置き、ここに足を置けという。ボールペンでぐるりとわたしの足の輪郭をとり、計測終了。あまりの適当さに不安がよぎる。
「エッ、これでOK? 右と左で大きさが違うけど・・・」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」
店員は自信たっぷりに言う。
それでも2日後にその靴をピックアップに行くまで、ずっと不安だった。
はたしてできあがった靴は、わたしの足にピッタリ!! 履いたとたん足に馴染んだ。

しかし・・・。
確かに履き心地はよかったけど、見た目に大きな違いがあった。ほっそりした友人がはいたときにはとてもオシャレに見えたのに、幅広甲高のわたしが履くと、何ともおばさんっぽい。
でもこれは靴屋のせいではないから、文句は言えない。
靴とお揃いのバッグも、見込み違いだった。エルメスのケリーバッグを模したキュートなデザインなのだけど、フタを開けるのが面倒、小さすぎてとても使いづらい。
HKillust03
おばさん風の靴と使い勝手の悪いバッグ。ふたつ合わせても、値段は日本で買う靴1足分とはいえ、はたしてこれはお得な買い物だったのか・・・

hongkong【追記※】鞄は使うことのないまま処分したけど、靴は何度か履いて、まだ下駄箱にあった。でも今回、記録も残したし、そろそろバイバイしよう。よく今まで持っていたこと・・。ちなみに旅のきっかけとなった香港映画は、チョウ・ユンファ主演『風の輝く朝に』(日本では1989年公開)。
【2013/05/25 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
ワープロの記録01 【旅の土産もの バリ編1987】
片付けをしていたら、ワープロ書きの原稿を発見。「旅の土産もの」というテーマで、わたしが勝手に書いたもの。もうフロッピーディスクもないし、記憶も薄れてきているし、ブログのテーマともかぶるので、ここに記録することにしました。(全5編)

バリ島へは、いちおう新婚旅行という名目で行った。
といっても、「ハネムーン」のイメージとはほど遠く、参加者はわたしたち2人だけという格安の幽霊ツアーだった。

その1週間前まで、わたしは香港取材で、ハイアット・リージェンシーに宿泊していた。だからバリ島のクタのホテル(コテージ)に着いたとき、そのギャップに少なからずショックを受けた。
部屋には竹製の簡素なベッドが2つあるだけ。バスとトイレは室外という、何ともオープンな造り。シャワー用に、なんと「パロマガス湯沸かし器」が取り付けてあった。しかもそこには、日本語で「シャワーなどのご使用はご遠慮下さい」と書かれていた。
おそるおそる使用してみたら、お湯は出たけど、ちょろちょろと情けない。香港では、肩のマッサージができるほど勢いのいいシャワーを使っていたので、初日から哀しくなった(でもこのあと泊まったチャンディ・ダサとウブドの宿では、お湯は出なかった)。

bali新婚旅行といっても、こんなビンボー旅行だったから、たいした買いものもできなかったけど、インドネシアならではのお土産「ジャムゥ」を買い込んだのだった。

ジャムゥは、インドネシア版漢方薬のようなもの。どこでジャムゥのことを知ったのかは思い出せないのだけど、バリに行ったらジャムゥを飲もうと決めていた。それは屋台で売られているものと思い込んでいた。
けれど、それらしきものを売る屋台は見あたらない。旅の途中で知り合ったインドネシア・フリークという日本人女性が、薬局で売っていると教えてくれた。

彼女に教えてもらった薬局に行き、ジャムゥには症状に合わせていろんな種類があるということがわかった。
その薬局で、わたしたちに必要なのはどれ? とジェスチャーで聞いてみた。
女主人は、こんなものを買いに来るなんてヘンな日本人・・・とでも思っているような笑みを浮かべ、夫には、じょうぶで若々しいからだを保つ、というのをすすめた。わたしには同じ効用の女性版と、もうひとつ、ウエストを細くして魅力的なボディをつくる、というのを差し出してきた。

もしかしたらすごい効果があるかも! でもジャムゥを買うためにまたバリ島まで来るわけにはいかないし・・・。1袋10円だし・・・。思わずその3種類のジャムゥを、店にあるだけ買い占めた(全部で20袋ほど)。

バリ島から帰って、さっそくジャムゥを試してみる。
袋の中身はカレー粉に似ていた。匂いもきつく、飲むのがためらわれたが、せっかく買い占めてきたのだからと、覚悟を決める。
パッケージの裏には、2~3日おきに(もし必要なら毎日)1袋を100ミリ前後の熱いお湯に溶かして飲むように、と書かれていた。
1度目はそのとおりにしたが、げーっ、となるほどまずかった。
でもめげずに、ヨーグルトに混ぜて飲みやすくして再度トライ。
が、ジャムゥのせいなのか、旅の疲れからなのか、2度ともお腹に変調をきたし、それ以降、試す勇気がすっかり失せてしまった。
それでも捨てられないまま、ずっと空き缶にしまい込んである。

【追記※】バリ島へ行ったのは1988年。結局ジャムゥは、1999年の引越時に捨てました。


【2013/05/25 】 旅で得たもの | comments(2) | page top↑
はじめての取材
ものを半分くらいに減らせたらどんなに身軽だろうか、と想像してみる。
でも、それは無理。せめて5分の1くらいなら。

安静中なのだけど、少しよくなってきたので、ものがいっぱいで開けにくくなった引き出しと、床の一部を占領している本や資料を片付けることにした。
中身を見ないで捨てることができたら、どんなに楽だろう。
でも、それは無理。捨てるものを選別し始めると、なつかしいものがいろいろ出てきて、片付けが思い出にひたる時間に変わる。いつものことだ。

山口県の高校を卒業した春、「読者レポーター」として神戸に行ったときの雑誌が出てきた(30年以上前のことです)。
新企画だったから応募者が少なかったのだろう。男性編集者がうちに電話をかけてきたとき、父はひどく怒っていた。誰がどう説得したのかは忘れたけど、小学校からの同級生のYちゃんも一緒に行くことがわかり、少し安心したのかもしれない。

神戸で待っていたのは、編集のSさんとカメラマンのOさん。あと、尼崎在住でわたしより一歳下のJさんが「案内役」として合流、のはずが茶髪の彼氏連れで、みなでのけぞった。

18歳まで田舎で育ったわたしにとって、神戸は洗練されたエキゾチックな都会。見るもの(外国人や洋館や港…)、聞くもの(大人の男性との会話や初めて聴いたビル・エヴァンス…)、食べるもの(本格中華やギリシャ料理…)、すべてに興奮した。
そして、はじめて「取材」というものを体験した。

delica07このあとわたしは東京でひとり暮らしを始め、ハタチのときに行ったヨーロッパ貧乏旅行がきっかけで、旅の記事を書いたりガイドブックの制作にかかわるようになった。

子どもを持ってからは旅の仕事も減り、今はライター業もしていないけど、思えば、この神戸ツアーが仕事の原点かも。。。

片付けは、思い出を整理する作業でもある。

文章はわたしが、イラストはYちゃんが担当した。12ページの企画もの。

【2013/05/23 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
ただいま安静中
ぎっくり腰で自宅静養に入って5日目。
動けなくなると、健康のありがたさが身に沁みる。
寝返りが打てること、さっと起き上がれること、靴下をはくのに難儀しないこと、二足歩行ができること・・・、ふだん無意識無感動で行っているささいな動作の一つひとつが、もう奇跡的なことに思えてくる。

過去にも何度かぎっくり腰をやっているけど、今回は何かちょっと違う。
腰だけじゃなくて、からだ全体にゆがみが出ているような。。。
これを機に、姿勢とか歩き方とか座り方とか、言い方とか考え方とか、これまでの生活習慣すべてを見直したほうがいいというメッセージかもしれない。
ここは謙虚に、からだのメッセージにしたがおうと思う。
negibouzu



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【2013/05/22 】 生活するもの | comments(0) | page top↑
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