若さのヒケツは日本画にあり?!
おばあさんは82歳、家は農家なのだそう。
「畑仕事をされているからお元気なのですね?」
日に焼けた肌はハリがあり、とてもその年齢には見えない。
電車で席をゆずったことから、会話が始まった。

「もう20年以上も日本画をやってるんですよ」
93歳まで描いていた先生が亡くなって、いまその教室で教えているという。
生徒さんには88歳の男性もいらっしゃるとか。

日本画を描くと長生きできるのだろうか???

おばあさんの1日は、早起きして畑の野菜をスケッチすることから始まる。
画材は横浜の専門店まで、1時間近くかけて買いに行く。この店が扱う天然顔料の絵具は量り売りで、発色がぜんぜん違うのだそう。

何だかがぜん、日本画に興味がわいてきた。
生きものや静物や風景をじっくり観察して、かたちをとる。
自然がつくり出した色を用いて、麻紙に自分の世界を表現する。

higannnbanan「絵が上手くなるには、先生に頼らず、集中して熱心に描くことだね」
1枚の画を仕上げるために、構成力や発想力や色彩感覚や記憶力や集中力や体力など、人間がもつあらゆる能力を駆使することになる。
おばあさんの場合は、これに農作業も加わる。
展覧会で最高峰の賞も取ったんだって。

ああこれが、若さのヒケツなのか!
もう少し生活に余裕が出たら、わたしも日本画を習おう。思いがけず老後の夢がまたひとつ。
【2011/09/27 】 呼吸するもの | comments(0) | page top↑
人生は1日1日の積みかさね 【p.02】
倉敷の美観地区で、わたしは今どきの「やばい!」を連発していた。
倉敷意匠のマスキングテープやノートを扱った店で。倉敷帆布バイストンの直営店で。手づくりの和紙やアクセサリーの店で…。物欲をゆさぶるモノが多すぎるのだ。「やばい」の多さは、出費の大きさに比例するから困った。

倉敷帆布02
「おばあちゃん↓」の娘さんの手づくり巾着(左)\1,800 倉敷帆布の横型トート(中央)\7,400「東京進出なんてとんでもないです」という店員さんの言葉が決め手に。。。

予備知識もなく、たまたま倉敷を訪れて美観地区をちょこっと観光したにすぎないけど、この町の心地よさは「文化」を核にした町づくりにあると思う。
その発展にはやはり、倉敷紡績の2代目社長で現クラレの創業者、大原孫三郎の功績が大きい。彼は、西洋美術にも日本美術にも工芸にも造詣が深く、1930年に大原美術館を創設。民藝運動の支援者でもあった。

「いまの倉敷があるのは大原さんのおかげです」
こうおっしゃるのは、本町通りで器の店を営む85歳のおばあちゃん。店内には、「民陶」で知られる小石原で修業された息子さんの作品が並ぶ。
おばあちゃんは、60歳まで大原美術館横の喫茶店「エル・グレコ」で働いていた。「そこでいろんなことを学ばせてもらいました」と、にこやかに話された。
その端正なたたずまいは、倉敷の「文化」とともに熟成されたものなのだろう。そしてここでも、「1日1日ですわ~」という言葉を聞いた。

わたしだって来年の9月25日に、生きているという確証はどこにもない。
人生にハプニングはつきものなのだ(今回の倉敷探訪だって。。。)
若くても(もう若くはないが…)歳をとっていても、「1日1日を気負わずていねいに生きる」ことが大事なのは変わりない。

とりあえず、わたしがいまやるべきことは、倉敷の老舗呉服店「はしまや」を訪れたサルトルが残した言葉、「掃除は芸術也」を実践すること。
【2011/09/25 】 旅で得たもの | comments(0) | page top↑
人生は1日1日の積みかさね 【p.01】
母の百か日法要で山口に帰省していた。

「私もいつどうなるか、先のことはわかりません。ひてぇびてぇ(1日1日)生きちょります」
買い物の途中で出会った、ホンケのおばさん(血縁関係はない)との会話で。
80歳にもなれば、こんな心持ちになるのは当然だろう。それでも、日々の仕事をきちんとやり続けているホンケのおばさんや、ひとりで家と庭と畑をしっかり手入れしていた母は立派だと思う。

母を偲び、18年間住んだ家を眺め、親戚や同級生とおしゃべりをして、母が植えた畑のブルーベリーを収穫し、そこかしこに懐かしい秋の訪れを感じ、穏やかな瀬戸内海を見ながらランチして・・・それは有意義な帰省になった。

kurashiki上京の日、台風15号が浜松に上陸。新幹線が新大阪から先の運行を見合わせたため、実家へひき返すというハプニングが起きた。その夜、大阪に住む友人に電話したら、急きょ「あした倉敷で会おう」という話に。

新幹線が平常運転に戻った翌夜、ツタにおおわれた赤レンガの建物がヨーロッパの街を彷彿させる「倉敷アイビースクエア」に宿泊。秋晴れの秋分の日は、白壁の蔵屋敷や古い町家が残る美観地区を友人と声を弾ませながらうろついていた。
+ to be continued…
【2011/09/24 】 生活するもの | comments(0) | page top↑
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